攻防をつくる!柔道乱取りの指導法

ここでは乱取りの指導法略について紹介します.
この映像は,2022年度の卒論生が制作したものです.
無断で使用することは固くお断りいたします.

さて,こちらの映像ですが,前提として柔道の乱取り(試合)の構造を考える必要があります.
柔道の乱取りはどのように行われているのでしょうか?

私たちは,乱取りを「組む前の動き」「組んだ時の動き」循環であると考えています.
離れた状態から始まる柔道で,相手を投げてスコアを獲得するためには,まず組まなければなりません.
しかし,自分の目線で「組む」あるいは「組みに行く」ということは,相手からすると「組まれる」ということになります.
自分がいくら「組みたい!」と思っていても,相手はなかなかそれに応じてくれません.
応じないどころか嫌がられると思います.

またこの状態は自分も同じです.相手が組みに来たらやはり嫌です.
つまり,「組みたい」けど,「組まれたくない」という状態まず初めに発生します.

では,どうするか?
相手に組まれないように自分だけが組むためには,相手の姿勢を崩す必要があります.
あるいは,相手が組もうとしてくるその気配を察知して対応する必要があります.
こうした動きとして「押す(突く)」,「引く(手繰る)」,「かわす」といった動きがあります.
これは「組む前の動き」です.これらの動きを駆使して,相手に組まれないように,自分だけが組むことができます.

しかし,お互いがこのような動きを使うと,いずれどちらか一方が「組まれる」ということになります.
組まれるということは,投げられる可能性があることになります.つまりピンチなのです.
攻防を楽しむためには,このピンチを脱する必要があります.それが「組んだ時の動き」です.

「組んだ時の動き」とはすなわち「組み手を切る」ということです.
相手の釣手を掴んで下に押しやる,肘を前に出して相手の引き手を切る,あるいは手をくるっと回して相手の引き手を切るといった動きがあります.
これらの動きによって組み手が切れたら,自分と相手との間に距離が生まれているはずです.
そうすると,また組む前の動きからリスタートとなります.あるいは,切ることができずに投げられることもあるでしょう.

こうした動きを駆使することで,投げなくても十分に攻防を行うことができます.
しかし,投げ技を使うことができればより高度な攻防が展開できると思います.

今回の動画は,こうした攻防の作り方の一例を示しています.
ぜひご覧いただき,指導の参考にしてもらえれば幸いです.

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