【報告】日本体育科教育学会第28回大会でポスター発表を行いました

2023年7月8日ー9日に順天堂大学さくらキャンパスで開催された掲題の大会で研究成果の発表を行いました.

この大会で発表したのは,2022年度から継続している科学研究費助成事業の助成を受けた研究でした.
幼児教育における体育的活動(幼児体育と呼んでいます;一般的に運動あそびなどと呼ばれたりもします)を観察を通して分析をする手法の開発に関する研究です.

体育(小学校から大学生まで)の世界では,授業は4つの場面から構成されているということが知られています.これらはそれぞれ,先生が一方的にお話をしている『学習指導場面』,移動や待機をしている『マネジメント場面』,生徒通しで話し合いをしたり作戦を考える『認知学習場面』,練習したりゲームをしたりする『運動学習場面』の4つです.

これらの場面がそれぞれ,どの程度(頻度・時間)出現したかを分析することで,その授業の構造を知ることができます.
例えば「今日の授業はすごくよくできた!」という”感覚”のあった授業をイメージしてみてください.
よかったのであれば,それを再現できると,次もその次もよい授業ができますね.

しかし,「よくできた!」という授業は何ができたからよかったのか,そもそも「よかった!」という授業はどのようにして行われたのか・・・これがわからないと,再現することは困難です.
あるいは,「よくなかったなぁ」と思う授業であれば,なぜよくなかったのか,なにをどうすれば改善できるのか検討することができません.

そこで授業を分析するという手法が有効になるわけです.
授業がどのような流れで展開されているか可視化できれば,再現も反省も行うことができます.

さて,この手法はあくまでも体育授業に対して使うことができます.スポーツの指導場面や保育では,体育授業と似た活動が行われますが,この分析枠組みをそのまま使うことに注意しなければなりません.
つまり,保育なら保育,コーチングならコーチングを分析する枠組みを構築する必要があります.

長くなりましたが,上記のような背景を踏まえて,今回の研究は行われました.
詳細は割愛しますが,体育の授業では好ましくなかったり,あまり注意されない場面でも意味を持つという認識があることがわかりました.
また,保育者はあくまで子どもを支援したりケアする存在であり,子どもは環境の中で自発的に気づき・学んでいくとされています.そこで,保育者があえて関与しない「見守り」という行動が重要になるという示唆を得られました.

この内容は近いうちに論文にして発表しますので興味を持たれた方は,楽しみにしていただればと思います.

研究活動のアウトリーチがあまりできていませんでしたが,その間,何もしていないわけではなく・・・
色々と原稿を書いたりしています(直近でも論文の原稿が書き上がりました!).

引き続き研究活動の様子と成果については,整理してこちらに出していきたいと思います.

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