【学生向け】レポートの書き方講座②
前回の記事を書いて以降,文章の書き方についていろいろと私なりに考えてみました.
考えた結果,もう少し補足する内容があってもいいのではないかという結論に至りました.
そこでこの記事では,レポート(論文)の書き方についての補足的内容を整理していこうと思います.
Summary
よく「日本語がおかしい」と指摘される学生さんがいると思います.
その際,「なに」が「どう」おかしいのか具体的に指摘されることは少ないと思います.
おそらく,「日本語がおかしい」と言われる際は次の点について指摘されていることと思います.
文章の構成については前回の記事で記しましたが,今回はその前段階にあたる文章の書き方について説明していこうと思います.
Chapter1.
体言止めしない
「体言」と言われてピンとくる人はいますか?おそらく小学校か中学校で学んでいるはずです.
「体言」とは,名詞・代名詞・数詞のことを指す言葉です.
より具体的に言うと「もの」「こと」「(物の名前)」のことです.
日常生活では頻繁に使いがちですし,小説などでもよく用いられる表現だと思います.
しかし,レポートや論文では好まれる表現ではありません.体言止めをした文章で書くのはやめましょう.
Chapter2.
主語と述語の関係に気を付ける
「主語」と「述語」も小学校か中学校で学ぶ内容ですね.また英語において学んだ印象が強いのではないでしょうか.
この対応関係について,理解することで文章は飛躍的に良くなります.
例えば,次のような文章があります(出典:日経XTECH「主語と述語を対応させる」).
「新しいシステムは,マスコミに取り上げられ,クライアントからも好評いただき,前年比15%増の売上を期待している。」
上の文章を整理して主語と述語を抜き出すと「新しいシステムは・・・期待している」となります.
この場合「期待する」のは誰でしょうか?おそらく,「この文章を書いている人」か「このシステムを販売している会社」だと思います.
しかし,この文章の主語は「新しいシステム」となっています.
つまり「新しいシステム」が「期待している」という関係になります.
システムは人でしょうか?(・・・違います!)期待するという思考を持てますか?(・・・持てません!)
つまりこの文章は主語と述語がねじれている/対応していないとなります.
この文章を正しい日本語にする場合,「売り上げは・・・期待されている」とか「私たちは前年比15%増の売り上げを期待している」
というように主語と述語のねじれを直す必要があります.
Chapter3.
「など」の使い方
文章をみると「○○などは~」と「など」をやたら使う人がいます.
これも不適切な場合があります.
「など」を使う場面は「複数の例」がある場合です.
例えば,「授業の目標などは学習指導要領に沿って・・・」という文章があったとします.
この場合,文章の中で例として示されているのは「目標」だけですよね.
ひとつしか示されていないのに「など」があるのは不自然ですね.このような使い方は避けましょう.
Conclusion
ここで示したのはほんの少しですが,上に記したことを気を付けてもらえれば,初心者っぽい文章から脱却できると思います.
そして,上記の内容を踏まえて,この記事で言いたいことは「口語と文語の違いを理解する」ということです.
口語(話し言葉)とは日常会話のように,口に出して話す日本語のことです.一方の文語(書き言葉)とは文字(テキスト)として紙やデータに書く日本語のことです.
これは当然ですが,いずれも日本語です.しかし,表現の仕方が異なります.
例として以下の文章を見てみましょう(出典:iPentec「初心者向け文語体の文章(論文)の書き方Tips」)
かなり厚い本で3cmくらいあります(ちなみにマニュアルは、2冊で15Cmくらいあるそうだ)。その分一通りの機能について、ざっと説明があるのでまあ役立つことと思います。しかし、3D Studio MAX の機能についてのくわしい説明までは言及していません。本当に主要な機能を簡潔に説明し、簡単なチュートリアルがついているという感じです。
私が担当する授業のレポートを見てみると,上記のような書き方のレポートがたびたび見られます.
率直に言うと,このような書き方では「あまり良い評価をつけたくないなぁ」というような印象を抱いてしまいます.
では,上記の例文を文語(書き言葉)に直すとどうなるのか?
この本は3D Studio MAXの主要な機能について解説されており、概要の把握には役立ちます。しかし、主要な機能の解説と簡単なチュートリアルしか掲載されていないため、3D Studio MAXの機能の詳細を知るには他の書籍やマニュアルを参照する必要があります。
よく整理された文章になりましたね.この文章であれば,読む人に情報を過不足なく伝えられると思います.
しかも元の口語(話し言葉)の文章量よりも少なくなって読みやすくなりました.
この記事がよい文章を書くための参考になれば幸いです.
がんばってください!